確か、星田妙見宮の帰りだったと思う。
駅に向かう車の中で、私は先生に言ったのだ。
「ブレる自分がいやです。ブレたくないのに。」
あちらへぐっーと傾いたかと思うと、今度は逆方向へ傾く・・。
その繰り返しの、振り子のような自分がいやだった。
先生は、あっさりと答えた。
「それは無理ですね。」
「・・・ブレないのは、無理ですか?」
「無理ですね。」
性格上、私には無理、ってことかな?
「無理は、どう書きますか?」
「・・・あ!」
「真理がない、のが無理です。無、理。
無理ですよ。」
ブレない、ということには真理が無い・・
私はそもそも真理が無いことをああだこうだ悩んでいた、
ということか・・・なーんだ・・・。
その後、私は「ブレる」「ブレない」ということを
まったく考えなくなった。
実はこれはしばらくたってから
「あはひ」への理解につながっていくのだが
当時の私にそんなことがわかるはずもなく。
ただ、ブレないということには真理が無い、とわかって
「また一つ新しいことを学んだ」と嬉しかった。
それだけだった。